良きIT人材になるために!IT初心者がまず取得しておきたいIT系資格4選
エンジニア系かマネージャー系か…その前に基礎を学ぼう
IT業界で働きたいがどういう勉強をし、どういう資格を取得すればいいのかわからない、そんな方も少なくないだろう。IT業界を目指す方が資格を取得することは、資格をとる過程の勉強でIT社会に必要な知識やスキルも身につけることができるし、企業や部署などのチーム全体のITリテラシーの底上げによって、業務を円滑にしたり、情報漏洩など、技術的なリスクを減らすことができる。
また、資格があることで、その人の能力を客観的に証明することができる。就職・転職の面接の際に、資格を持っていることは良いアピールポイントになるだろう。
逆の視点で見れば、採用担当者が人材一人ひとりのITスキルを、資格なくしてすぐに判断することは難しいものである。自分の能力を正しく証明するためにも、IT資格の取得は重要だ。
IT未経験者・初心者の方は、まず「IT系職種全般」分野の資格から取得していくことをおすすめする。というのも、この分野の資格は、他の2つの分野に比べて比較的幅広い範囲のITに関わる知識が問われるからです。この資格を持っていれば、IT知識全般に関わるスキルの証明をすることができるため、職種に関わらずITに関わる仕事をする方であればどなたにでもお勧めしたい資格だ。
それでは、数あるIT資格の中からどの資格から取得したらいいか、ステップごとに紹介してみよう。
まずは基本をおさえよう「ITパスポート」
すべての社会人が備えておくべきIT基礎知識を証明することができる国家資格である。 この資格を取得することで、ITを正しく理解し、業務に効果的にITを利活用することのできる"IT力"が身につく。 情報技術に携わる仕事に就きたい人におすすめの資格で、IT資格取得のファーストステップとして受けてみるのも良いだろう。
試験方式はCBT(Computer Based Testing)方式で、受験者はコンピュータに表示された試験問題をキーボードやマウスを用いて解答していく。 分野としては、テクノロジ系(IT技術)、マネジメント系(IT管理)、ストラテジ系(経営全般)の3つに分けられている。 2021年4月から、出題範囲(出題の考え方)の記述が一部改訂されたバージョンの試験が始まる。
最もベーシックな情報処理の資格「基本情報技術者」
毎年受験者数は10万人以上にものぼるITエンジニアの登竜門といわれる試験であり、情報技術全般に関する基本的な知識・技能をもつ人や、プログラム設計書を作成し、プログラム開発、単体テストまでの一連のプロセスを担当する人のための国家資格である。テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の各分野から幅広く出題される。ITエンジニアとしてのしっかりとした基礎を身に付けることにより、その後の応用力の幅が格段に広がる。
マネジメントレベルの問題も出題されるので、企業人としてはマネジメントスキルの基礎固めに役立つ。合格率は約4割であり難易度はやや高いですが、数少ない国家資格なのであらゆる業界でニーズがある。取得までは半年くらいが目安である。
なお、ITパスポートと同様に2020年10月から試験からJIS改正に伴い、試験が改訂された。詳しくは、最新のシラバスを確認しておこう。
今後も、時代のニーズに合わせて試験問題は随時改訂されていくことが予想されるので、一度取得をしたことがある方も、最新の内容に変わったタイミングで再度挑戦するのも良いだろう。
ワンランク上のIT人材として企業戦略などを立案「応用情報技術者」
基本情報技術者試験を取得したら、次にチャレンジしたいのはこの応用情報技術者だろう。技術から管理、経営まで、幅広い知識と応用力が身に付き、システム開発、IT基盤構築などの局面で、高いパフォーマンスを発揮することができる。 情報技術を活用した戦略立案、経営戦略・情報戦略の策定に際して、経営者の方針や経営を取り巻く外部環境を正確に捉え、動向や事例を収集できること、定められたモニタリング指標に基づき、差異分析などを行えることなどの技術水準が求められる。内容としては「基礎情報技術者」と同じだが、レベルは高くなる。合格率は約25%。
情報管理の要となれ「情報セキュリティマネジメント試験」
情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験である。
「情報セキュリティをいかに確保するか」は今や組織にとって大きな経営課題だが、標的型攻撃、内部不正などの多種多様な脅威は、「ITによる対策(技術面の対策)」だけではなく、適切な情報管理、業務フローの見直し、組織内規程順守のための従業員の意識向上といった、「人による対策(管理面の対策)」についてもしっかりとした取組みが重要である。
そのための情報セキュリティマネジメントを担う人材の育成をいかに推進していくかが、社会全体での課題であると言える。
このような社会ニーズの高まりを背景に、政府の『「日本再興戦略」改訂2015』(平成27年6月閣議決定)や経済産業省 産業構造審議会で示された方向性を踏まえて、国家試験「情報処理技術者試験」の新たな試験区分として創設された(平成28年度春期から試験開始)。
基礎を学んで次のステップへ
数あるIT資格の中から、おすすめの国家資格をピックアップしてご紹介してきた。 沢山の種類があるIT資格ですが、その中でも国家資格を取得していれば、自分のスキルの証明に大きく活用することができるだろう。
当たり前だが、資格取得のための勉強は必須だ。 参考書を片手に独学で学んでいく方法もあるが、実はIT資格取得のサポートを行っている専門のスクールも存在する。忙しい時間の合間を縫って勉強するからこそ、ITが専門で学べるスクールを活用することで、より無駄なく効率よく知識を習得することができる。基礎を学んだあとは、より専門的なマネージャー系資格やエンジニア系資格を取得するのもいいだろう。