ChatGPT(チャットGPT)の無料版と有料版、どう違うの?

現在利用者が急増中のChatGPTには無料版と有料版があるのをご存じだろうか?本記事では無料版と有料版について、9つの項目で比較したそれぞれの特徴を解説している。有料版を選ぶメリットもあげているので、記事を参考に自分に合った選択をしてほしい。

ChatGPT(チャットGPT)とは?

ChatGPTは、アメリカの人工知能研究機関「Open AI」が開発したAIチャットボットであり、2022年11月に公開されてから2ヶ月ほどでユーザー数が1億人を突破し、世界中から注目を集めている。

ChatGPTの特徴は、膨大なテキストデータを学習し、人間と変わらぬ自然な言語処理機能を持っていることである。ユーザーの質問に対して、実際の人間と会話を行うような会話形式で回答してくれる。ただし、回答には間違いや適切でないことを含む可能性があることがデメリットだ。

ChatGPTは無料版と有料版があり、有料版には最新の言語モデル「GPT-4」が搭載されており、GPT-4は、無料版に搭載されているGPT-3.5に比べはるかに高性能であり、これにより、無料版にはないさまざまな機能を利用できる。

ChatGPT(チャットGPT)の無料版と有料版の違い

ChatGPTの無料版と有料版の違いは主に応答速度や可用性である。これは搭載された言語モデルの性能の差と言えるだろう。具体的にどのような違いがあるのか、以下の9項目で解説していこう。

①価格

ChatGPT PlusChatGPT
月額料金(※)20米ドル(約3,068円)無料
使用モデルGPT-4GPT-3.5

ChatGPTに初めて登録する場合は、自動的に無料版に登録される。無料版の場合はどれだけ使っても料金はかからない。

有料版(ChatGPT Plus)の場合はサブスクリプションサービスとなっており、web利用の場合は月額20ドル(約3,068円)である。(価格はすべて2025年2月現在)。この料金は毎月自動更新され、いつでもキャンセル可能である。

(※)円価格は2025年2月時点でのレート換算によるもの

②文字数制限

ChatGPTには1度に生成できるテキストの文字数に制限があり、無料版の場合は最大2,048文字、有料版の場合は最大4,096文字である。

有料版の方が約2倍の文字量を扱えるため、1度に長文の質問も可能であり、翻訳や要約したい場合にも、何度にも分けて取り込む作業が半減するため楽になる。また、回答の内容についても網羅性のある回答が期待できる。

③リクエスト(利用可能数)制限

ChatGPTには過度の使用によるシステムの負荷を防ぐために利用可能なリクエスト数に制限が設けられている。

無料版の場合は、1分当たり最大60リクエスト、1日4,000回までになっており、リクエスト制限を超えるとエラーメッセージが出て、1時間ほど使えないようにブロックされる。

有料版の場合は1分当たり最大600リクエスト、1日100,000回までであり、無料版と圧倒的な差があるため有料版であれば、エラーの頻度も少なくなり、たくさん使いたい場合でもスムーズに作業が可能である。

④レスポンス(回答)速度

回答速度は有料版よりも無料版の方が速くなっている。これは、有料版の方が高度な処理を行っているからである。

有料版に搭載されているGPT-4は、応答時間のスピード自体はアップしているが、扱える文字量や複雑な処理が増加している。また、画像処理が可能になったことも影響している。

精度の高い回答を求める場合は有料版、次々にすばやく質問したい時は無料版、と使い分けるのもよいだろう。

⑤安定した接続

有料版と無料版を比較すると、。無料版のChatGPTは、アクセスが集中するとつながりにくいことや、エラーメッセージが出て止まってしまうことが多々あったが、有料版の方が安定した接続を得られた。

有料版はピークタイムでも優先的にアクセスでき、手が止まることもなく快適に作業ができる。仕事上のツールとして使うなら安定した接続の有料版の方が向いているようだ。

⑥プラグインの利用可否

プラグインとはChatGPTに機能が追加できるツールであり、有料版しか利用できないツールである。

プラグインをインストールすることで、できることが増え、利便性が向上する。たとえば、「指定したWebサイトを要約する」「画像生成に利用するプロンプトを生成する」など、意図に応じた回答に簡単にたどり着くことが可能になる。

具体的な例をあげると、「食べログ」のプラグインを使って、日時や場所を指定すると、自分でサイトをチェックするよりも、早く希望にピッタリの飲食店などを見つけられるといった具合だ。

2023年7月時点で約600のプラグインが登録されており、さらに増え続けると予想される。

⑦画像生成の可否

質問に画像をつけると、それを理解して返答してくれる。テキストだけよりもしっかり意図を汲み取ってくれるため、精度の高い回答が期待できる。

また、どんな画像が欲しいか指定すると、それに応じた画像や動画を生成することも可能である。質問を重ねていくことで、細部までイメージに近い画像を手に入れられる。

日常的なレシピの検索や、仕事での利用など、さまざまな場面で役に立つ機能と言えるだろう。

以前は無料版ChatGPtユーザーは利用できなかったが、2024年8月のアップデートにより、無料版ChatGPTユーザーも1日あたり2枚までではあるが画像生成機能を使用できるようになった。制限に達すると、「画像作成の制限に達しました。ChatGPT Plusにアップグレードするか、24時間後にもう一度お試しください」といったメッセージが表示される。

ChatGPTが1回の指示で完璧な画像を作成してくれることは稀のため、1日2回では実用的とはいえない。ただ、有料版への加入を検討している方にとっては、「お試しできる」という点が結構価値があり、大きな進展といえるだろう。

ちなみに、有料版のChatGPT Plus(月額20ドル)を利用している場合は、1日の生成枚数に制限はないが、3時間で40回までという全体的な使用制限は適用される。

⑧サポート体制

無料版でもサポートは受けられるが、優先的なサポートは受けられない。有料版で利用できるサポートには、以下のようなものがある。

  • カスタムエンゲージメント:ChatGPTのカスタマーエンゲージメント担当者と直接連絡が取れるため、スムーズに個別のサポートが受けられる
  • 優先的なフィードバック:有料版ユーザーからのフィードバック(改善や機能追加も含む)が優先的に検討される
  • エラーの解決:優先的に受けられるので、早く解決し、業務への影響が最小限ですむ
  • リソース提供:詳細な情報や支援を受けられる

このようなサポート体制は、仕事などで長時間使うヘビーユーザーにとっては、心強いものとなるだろう。

⑨新機能の先行

有料版では、これからリリースされる新機能を優先的に利用できる。たとえば、ChatGPTと他サービスを連携させることが出来る「プラグイン」は2023年5月に追加された機能だが、有料版でのみ使用可能だ。

同時期に公開されたWebブラウジング機能は、Web上の最新情報を元に回答を作成できる機能だが、これも有料版のユーザーのみが利用できるようになっている。無料版は最新情報を回答に含められないため、質問に対して最適な回答ではない可能性があったが、有料版はそのデメリットを克服している。

このように有益な機能を積極的に使いたい人にとっては、有料版の方が魅力が多いと言えるだろう。

⑩オリジナルアプリの生成

ChatGPTの有料版では、GPTsによりオリジナルアプリの生成が可能だ。通常、アプリの作成にはJavaScriptやC#のようなプログラミングの知識が求められるが、GPTsでは、ChatGPTからの質問に答えるだけでアプリを作れるため、専門知識を身につける必要はない。

GPTsを活用すれば、文章添削やヘルプデスクチャットボットなど、業務効率化につながるアプリを独自に作成できる。

ChatGPT Plus(有料版)を利用するメリット

ChatGPTの無料版と有料版を比較してみましたが、ここであらためて有料版を利用するメリットをあげてみよう。

高度な自然言語処理機能「GPT-4」を利用できる

ChatGPT Plusは、高度な自然言語処理機能「GPT-4」を搭載しているため、無料版と比較し、精度の高い回答が期待できる。言語モデルの精度に直結するパラメータ数が無料版のGPT-3.5では1,750億個なのに対し、GPT-4は5,000億個から100兆個にも及んでいる。

これにより、無料版では回答内の説明が重複したり、抽象的なことがあるが、有料版では詳細な情報をわかりやすい文章で回答できるようになった。また、有料版はアルゴリズムの改良などにより安全性が大きく強化されている。

ブラウジングなどの先行機能を利用できる

ChatGPT Plusにはブラウジング機能があり、ユーザーからの質問に対しAIがweb上の情報を検索し、その結果を提示する。無料版では2021年9月時点の情報しか回答できないデメリットがあったが、ChatGPT Plusなら最新の情報も網羅している。

また、今後発表される新機能も有料版ユーザーから利用可能だ。仕事でChatGPTを利用する人にとっては、便利な新機能を使うことは、業務の効率化や負担の減少につながる。その場合は有料版を使うことでメリットが得られると言えるだろう。

ChatGPT Plus(有料版)への登録方法

ここでは無料版から有料版にアップグレードする方法を紹介する。ChatGPTのアカウントを登録していない人は、先にアカウント登録を行ってほしい。有料版の決済方法はクレジットカードのみなので、手元に用意してから操作を始めよう。

ChatGPTにログインし、左下の「upgrade to Plus」というボタンをクリック。無料版と有料版の説明が書かれたポップアップが出てくるので、「upgrade plan」を選択する。

メールアドレスが自身のものであるか確認し、カード情報と電話番号を入力後、必要箇所にチェックを入れ、緑色の「Upgrade plan」ボタンをクリック。「支払い完了」が表示されれば契約は完了だ。

「continue」を選択し、元の画面に戻り、「Model」という設定項目で「GPT-4」を選択すると利用開始できる。

ChatGPTは使用したい機能を考慮して無料版か有料版かの選択を

ChatGPTの有料版は、無料版では利用できない新機能を使え、精度の高い回答が期待できるが、日常でたまに使う程度であれば、無料版でも十分と言えるだろう。仕事などで大量のデータを要約したり、画像が欲しい場合などは、有料版を使う期間だけ使用することも検討しよう。

有料版のメリットを理解して、自分の望む使い方に合わせて選択することが大切だ。解約は簡単にできるので、とりあえず1ヶ月だけ試してみると良いかもしれない。