USBメモリーを抜くタイミングはいつ?「デバイスの取り外し」は不要な理由
パソコンにUSB機器を接続した際には「正しい抜き方」がある。その手順はウィンドウズのOSやMacかWinかによっても異なるが、目安としてウィンドウズ10の場合を解説しておくと、
右下の方のにある「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」というボタンを押してから、安全に抜けることを確認してからUSB機器を抜く、というのが正規の手順になる…が、Windowsの進化や仕様変更によって、「いきなり抜いてもOK」になった。
「いきなり抜いてもOK」になったのは、WindowsがUSBメモリーや外付けHDD/SSDなどに対して、書き込みキャッシュを使わない設定になったためである。パソコンに接続したUSBメモリのプロパティを確認すると、標準設定で「クイック取り外し」が有効になっているのがわかる。
確認するには、USBメモリ等をパソコンに挿して、スタートメニューを右クリックし、デバイスマネージャーを起動。
ディスクドライブからUSBメモリ等を右クリックしプロパティを開き、ポリシーを開く。現行のWindows 10、Windows 11とも同じ仕様だ。
ただ、この設定では書き込みにキャッシュ(メモリー内に一時保管する機能)を使わないため、キャッシュを有効にしたときより書き込み速度は遅くなる。
しかし、書き込み作業をして表示が消えたら、(キャッシュを使わないので)実際の作業も終わっていることになり、接続されたUSBメモリ等をいきなり抜いてもデータが破損することはない。
USBの規格もUSB 2.0からUSB 3.0以降になり高速化しているので、多少のデータのやり取りでは書き込みが遅いと感じることもなくなっているのが現状だ。
それでも、データ書き込み中にパソコンからUSBメモリーを抜くのは厳禁。データは確実に壊れる。USBメモリーを再びパソコンに挿してエクスプローラーで中身を確認すると、書き込み中のデータが存在し、正常に作業が完了したように見える。だが、そのデータは中身のない壊れたファイルだ。USBメモリーのLEDや、コピーのウインドウが表示されていないときを見計らい、書き込み中以外のときにUSBメモリーを抜くのが鉄則だ。
アクセスLEDを備えるUSBメモリーであれば、点灯中は何らかのデータを読み書きしているので抜かないようにする。アクセスLEDがなければ、画面の情報がないときに取り外す。
大量のデータを読み書きさせた場合は、念のため少し間を置くか、「デバイスの安全な取り外し」を実施して取り外すといった配慮があってもいいだろう。
USBメモリは手軽に使えるが、静電気で簡単に壊れることがあるので、不用意に端子部分を触らないようにしよう。冬場の空気が乾燥したシーズンは特に注意が必要だ。
また、パソコンのUSB端子部分が劣化してガタつきがあったりすると、データの読み書きでエラーが発生したり、接続したUSB機器が故障することもあるので、あわせて点検しておくといいだろう。