Windows 11にアップデートしたら10日間はディスククリーンアップをしないほうがよい理由と対策

Windows10から11に更新したら、不要なファイルをごっそり削除したいと考えている者も多いだろう。その際、アップグレード後の10日間は、OS付属のツール「ディスククリーンアップ」の実行を避けたほうがよい。Windowsは11にアップグレードした後も、10日以内であれば10に戻すことができる。10のシステムファイルなどを格納した「Windows.old」フォルダーを10日間だけ保持し続けるからだ。ところが、不用意にディスククリーンアップを実行すると、フォルダーの中身が削除され10に復元できなくなる。

10日以内ならOS内蔵機能を用いて簡単かつ安心に作業が可能なので、Windows 11からWindows 10への変更はアップグレード後10日以内に行うのがベストだ。10日を超えると、「回復機能」は使えなくなり、全てを一から設定し直すクリーンインストールが必要になるため、データを失う危険があるからだ。それでも10日以降に11から10へダウングレードしたいという方のために方法をまとめたので本記事を参考にしていただきたい。

Windows11ダウングレード期限を10日以上に延長する

Windows 11からWindows 10へのダウングレード可能な期間を10日から60日に延長することができる。ただし延長のためのアップグレード後の10日間は、OS付属のツール「ディスククリーンアップ」の実行を避けたほうがよい。

変更は、Windows ターミナル(PowerShell)で Dism コマンド操作を使って行うことができる。この操作により、アップグレード前のバックアップである「Windows.old」フォルダが削除されず、ダウングレードの期間が60日間に延長される仕組みである。ただし、アップグレード後10日を過ぎると、この変更はできなくなりますので注意が必要だ。

  1 右クリックでスタートボタンを開き、「Windowsターミナル(管理者)」を選ぶ。

  2 管理者として開いたウィンドウに、以下のコマンドを打ち込んで「Enter」を押す。

     Windows11からWindows10への変更コマンド:

     DISM /Online /Set-OSUninstallWindow /Value:60

  ※末尾の数字60は日数を示し、変更可能ですが、60を超える値を入れるとデフォルトの10日に戻ります。

  3 「操作は正常に完了しました。」と出ると、Windows10への変更期限が60日間に設定されたことになる。

  ダウングレード期限の日数確認もコマンド操作で行うことができる。

     Windows11のダウングレード期限の確認コマンド:
     DISM /Online /Get-OSUninstallWindow

     Unintall Window:10

この表示が出れば、残り期限が10日間であると解釈することができる。

Windows 11から10への変更期限を10日以上に伸ばした後でも、Windows 10へ戻す意志があるなら、期限が来る前に作業を進めることをお忘れなく。

ダウングレードの期間を変更した後は、以下の点に注意してほしい。

  1 「Windows.old」フォルダを削除すると、Windows 10に戻せなくなるので削除しないこと。
  2  ディスクのクリーンアップ機能によって「Windows.old」が削除されることがあるので注意。
  3  ストレージセンサー機能が自動でアップグレードファイルを削除することがあるため、設定を確認しておく。

このように、Windows 11からWindows 10へのダウングレード可能な日数を変更する方法は少し複雑だが、注意点を把握しておけば問題なく行えるだろう。

Windows11から10に10日経過後でも戻す具体的な方法

10日以上経過した後でWindows 10へ戻す場合、USBメモリなどに必要なインストールデータを保存し、クリーンインストールを進めることが求められる。

クリーンインストールには、以下の2つの方法がある。

  ・インストールメディアを使って起動する方法 = 全てのフォルダが消去されるが、起動障害にも対処可能
  ・Setupファイルを直接実行する方法 = フォルダの保持が可能

次の紹介部分では、インストールデータを利用してPCを起動する手法に焦点を当て、その手順を紹介していく。この方法を選ぶ際には、先にインストールデータを準備する必要がある。

  インストールメディアの作成手順

     1・USBメモリを準備

     2・Microsoftの公式ページで「Windows 10のダウンロード」を探す

     3・「メディアクリエイション ツール」を取得

     4・ツールを起動し「別のPCのインストールメディアを作成する」を選ぶ

     5・Windows 10のバージョンを選択

     6・保存先を指定

     7・全ての準備が整ったら、インストールメディアを使って起動する

  クリーンインストールのやり方

     1・インストールメディアを使ってPCを立ち上げる

     2・言語などの設定画面が現れる

     3・「今すぐインストール」をクリック

     4・「プロダクトキーがありません」を選ぶ

     5・OSの種類を指定

     6・使用許諾に同意する

     7・「カスタム:Windowsのみをインストールする」を選択

     8・インストール先を指定

     9・インストールが終わるまで待つ

     10・地域やキーボードの形式を設定

     11・PCに名前を付ける

     12・インターネットの接続設定(Wi-Fiなど)

     13・Microsoftアカウントでログイン

     14・PINを作成し「次へ」をクリック

     15・バックアップから復元するか選ぶ

     16・プライバシーの設定を選ぶ

     17・クリーンインストールが完了する

デスクトップ画面が表示されるまで待つ。途中で中断すると、インストールに失敗してしまうので注意が必要だ。